Viento del Caribe カリブの風

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絶滅した先住民の壁画が残る 奇跡の洞窟


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ドミニカ共和国東部サン・ペドロ・デ・マコリス-ラ・ロマーナにある「奇跡の洞窟 La Cueva de las Maravillas」。

ちょうどソコ川とクマジャサ川の間ボッカ・デル・ソコと言われる地区にあり、サント・ドミンゴから車で約1時間半。この土地の地下30mに、かって絶滅してしまったイスパニョーラ島の原住民(タイノ族)の手によって描かれた数々の貴重な壁画が残されています。1926年にこの洞窟の存在が発見され、その時は「ハグアル洞窟」と命名されましたが1949年に地元(サンペドロ・デ・マコリス)の先生であったフランシスコ・リチェイス・アセベード氏がここを「奇跡の洞窟」と呼ぶことを提案しました。洞窟内は実に840mが迷路のようになった構造をしていますが昔の形状や周辺のエコシステムをできるだけ保存するために、そのうち240mの部分だけ見学できるように照明設備のついた通路が整備されました。洞窟の壁には明らかに人間を描いたものや472個もの様々な物体を描いた壁画が鑑賞できます。

洞窟見学は受付から「城と王のエリア」、「教会コーラスのエリア」、「陰のギャラリー」、「文化エリア」などど興味深い名前をつけられた各エリアを通り、見学に要する時間は約50分。

こうした原住民の壁画だけでなく洞窟には蝙蝠、蛾、爬虫類、両生類、特に新しい無脊椎動物が24種類発見され、その大部分は島の生物種インベントリーに初めて登録されたものです。上の壁画は洞窟の中で発見されたものの中で最大のもので224x174cm。壁画の大部分は死者あるいは死者にまつわる儀式をテーマとしたものが多い。これらの壁画が描かれた年代を推測するのは非常に難しいですが洞窟に残っていたその当時の物証から推察すると650年から1500年の間に書かれたものとの見方がされているそうです。この壁画はスペイン人が島へ到着してから書かれたものと言われています。

2017.4.25